開催日
2019年7月26日(金)
もし、自分がうつ病を抱えて80年前の戦時下にタイムスリップしたら、どんな世の中が待ち構えているのだろうか。
戦時下、国民は国家に奉仕すべき存在とされ、国家は戦争の役に立つかどうかで国民の命に優劣をつけてふるい分けた。そのなかで、精神障害を含め、障害者はどのように見られ、扱われたのか。実は同じ障害者であっても一方では排除の対象とされ、一方では包摂の対象とされた歴史があり、その分断は今日の福祉にも引き継がれたり通底していたりするのである。その歴史から相模原障害者殺傷事件を見た場合に見えてくるものとはいったい何だろうか。
これらを障害者福祉の観点から掘り下げることで、「これから」を考えるための視野を広げる一つの機会にしていただきたい。
●藤井渉さん(社会福祉法人大阪ボランティア協会ボランタリズム研究所運営委員、花園大学社会福祉学部准教授、人間福祉学博士、医学史研究会幹事)
専攻は障害者福祉論や福祉政策論で、障害者福祉現場の問題について歴史に軸足を置いて考えてきました。歴史に関心を持ったのは幼少期にドイツでホロコーストの歴史に触れる機会があったからです。
著書に『障害とは何か 戦力ならざる者の戦争と福祉』(法律文化社、2017年)や佐々木育子編『Q&A実務家が知っておくべき社会保障 ―障害のある人のために』(共著、日本加除出版、2017年)など。
学生のときから障害者の旅行を支援するNPOに長らく携わっていました。ラーメン屋をよく食べ歩いています。