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会報誌CANVAS NEWS

【CANVAS NEWS】2022年10・11月号

2022年10・11月号 誌面

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メールインタビュー全文

テラ・ルネッサンス 鬼丸昌也さん

 ・団体としてこうした問題に取り組むようになったきっかけは何ですか?

 鬼丸昌也(創設者・理事)が、高校時代にスリランカを訪れ、アリヤラトネ博士(スリランカにおける草の根民衆運動(サルボダヤ運動)の功績により、アジアのノーベル平和賞と言われる「マグサイサイ賞」を受賞))と出逢い、同氏との対話の中で、「すべての人に未来をつくる能力(ちから)がある」ことを教わりました。その後、立命館大学へ進学、在学中にカンボジアを訪れ、内戦により埋設された無数の地雷が、長期に渡り一般市民の生活に甚大な被害をもたらしている問題に触れました。帰国後、「まずは伝えることから」と、地雷をテーマに国内での講演活動、カンボジアでの地雷撤去支援を開始。その中で、人々が本来持つ、平和への想いを呼び起こし、地球のルネッサンス(復興)実現を目指し、「テラ・ルネッサンス(任意団体)」を設立しました。 

 
・世界中にスタッフが派遣されているようですが、こうした人材はどのように集められましたか?また、どんな方々がスタッフになっていますか?
 テラ・ルネッサンスは、2001年の設立以来、取り組む課題の解決のための日本国内での啓発活動に力を入れてきました。具体的には、学校や企業などでの講演活動やカンボジアなどへのスタディツアーの受け入れなどをする中で、テラ・ルネッサンスの理念に共感し、共に働く仲間が徐々に増えるようになりました。
 インターンを経験して職員になったり、異業種で勤務した後テラ・ルネッサンスの一員になった職員など、様々なバックグラウンドを持った人材が集まっています。 
※補足:「平和の担い手を育成する」という目的の下で、これまでインターンシップ(研修生)を160名以上受け入れて来ました。
  
・助成金よりも会費や寄付の額が大きいと思います。テラ・ルネッサンスに寄付や会費を納めている企業や団体、個人はどのように集められましたか。また、そうした団体はどのような意思で寄付をされているのですか?
 テラ・ルネッサンスでは、「ファンドレイジングは、お金集めではなくて仲間集め」ということを大切にし、教育機関や企業などでの講演やイベントへの参加、メディア露出などを通して、テラ・ルネッサンスが行っている活動に共感いただける方が増え、2022年3月時点で2,659名・233団体から定期的なご寄付をいただいています。中には、テラ・ルネッサンスサポーターズクラブ(TSC)という、テラ・ルネッサンスを応援する法人サポーター(企業・法人会員)による後援会組織も、日本各地で立ち上がっています。「自分たちが作りたい未来に対して、取り組むべき活動を一緒に解決してくれる仲間(テラ・ルネッサンス)に委託している」「テラ・ルネッサンスを応援することが自分なりの平和への意思表示」など、支援者の皆さまはさまざまなご意思で支援してくださっています。
  
・国内では、佐賀県が深く関わっているようですが、佐賀県庁とは、テラ・ルネッサンスの活動に対してどのような協力関係を築いていますか?
 市民活動の活性化などを目的とされている「県外CSO(NPO)誘致事業」の一環として、佐賀県がNPOの誘致を積極的に行っていました。そこで、テラ・ルネッサンスとしても、九州地方での啓発活動、平和への種まきを活性化させたいという想いから、2017年より佐賀県での活動を開始しました。
 佐賀県庁とは、ふるさと納税(NPO等指定寄付)・企業版ふるさと納税を活用した平和教育の取り組みや、佐賀県教育振興課の事業である「グローバル人材育成のための講師派遣事業」において、佐賀県内の小・中学校で、テラ・ルネッサンス佐賀事務所スタッフが講演を実施して、佐賀県のグローバル人材教育の発展に貢献するなど、多方面での協力関係を築いています。
 
・国内では唯一、岩手県大槌町で「刺し子」の事業をされていますが、なぜ、国際NGOが国内の地域振興にかかわっているのですか?
 2011年に東日本大震災があった際、その被害の大きさからテラ・ルネッサンスでも何か支援をできないかと考えました。当時、災害支援の経験が乏しかったため、支援を始めるにあたっては悩みました。しかし、私たちの活動地であるウガンダのスタッフや支援をしてきた元子ども兵らが現地で寄付を集め、支援を申し出てくれたことが、復興支援を始める後押しとなりました。
 活動を始める中で、震災からの復興とともに、日本国内の課題、また「刺し子」という日本の伝統文化の可能性にも気付かされました。現在は、「刺し子」というモノを大切にするという精神性から始まった日本の伝統手芸を通じて、1 . 手仕事の価値を伝える、2. 持続可能な社会をつくる、3. 工芸と地方を元気にする、という目的を掲げ活動を続けています。

 
・活動でいま、悩まれていること、課題になっていること、皆さんに知ってもらい何らかの支援や協力を求めたいことなどを教えてください。
 昨年20周年を迎え、多くのご支援をいただきながら活動を継続していますが、テラ・ルネッサンスが目指すビジョン(すべての生命が安心して生活できる社会(=世界平和)の実現)に近づくためには、より多くの方に仲間(=取り組む活動が解決しようとしている社会課題へ理解・共感して何かしらの支援してくださる方)になっていただくことが必要です。目の前に支援を必要としている人がいるにもかかわらず、活動資金が不足していることにより、支援できないような状況は作りたくありません。テラ・ルネッサンスは上述の通り、ファンドレイジングは、「お金集めではなくて仲間集め」と考え、社会を変えていく手段と捉えています。社会を変える運動体として、資金調達(ファンドレイジング)を通じた啓発活動を広く行い、集まった資金でより質の高い事業を行うことにより、ビジョンの実現を目指しています。
 テラ・ルネッサンスでは、自分にできることで気軽に国際協力ができるよう、支援の窓口を広げています。具体的には、定期的に寄付いただける会員制度や、ふるさと納税、不要になったもの(古本、古着、はがき、携帯電話、アルミホイール、古紙)の寄付などがあります。テラ・ルネッサンスのホームページやSNS等で日々情報発信をしているため、共感いただける方に支援していただけるとと嬉しいです。

プール・ボランティア 織田智子さん

・プール・ボランティアさんは設立24年ですね!活動を継続していくために気を付けていることを教えてください。

 毎回開催するプールの活動を、一回、一回丁寧に真剣に行っています。参加する障がい児の体調も、心の状態も、季節も、プールの環境も同じではありません。そして、マンツーマン指導をするボランティアも毎週同じメンバーではありません。一回一回が一期一会のマンツーマン水泳指導です。それを、23年間地味にやってきたことが継続できた鍵です。よく関取が「毎日の一番だけを考えて相撲を取るだけです」と言われますが、それと同じです。
 
・たくさんのボランティアが活動されていますが、活動希望者の育成、トレーニングなどはどうしていますか?(例えば、泳力チェックとか、障害のある方への接し方、プールでの介助方法など研修はあるのでしょうか)

 特に、ボランティア研修とかは行っていません。泳げるボランティアが登録していますので、障がい児達にどうやって水泳を教えるかは、担当者の手腕にお任せしています。しかし、マンツーマンだけで行っているわけではありません。20人の子ども達に23人のボランティアが一緒に入水しています。20組のペアと3人のフリースタッフがいるわけです。困ったときには、助け合っているわけです。もしも事故が起きた場合にも、助け合って対応しています。マンツーマンであって、チームで活動しているわけです。障がいに詳しいというよりも泳げれば泳げるほど楽しく、その泳力と人柄で行われているボランティアだと思います。
子どもたちの関わり方についてのプロフェッショナルは、保護者さんです、保護者さんから子どもたちの特性を伝授してもらうのが一番の近道だと思っています。
 それといままでの経験上、障がいや自閉症について経験や専門知識がなくても、水泳人、スイマー、スポーツを楽しんでいる人は、上手に障がいのある子どもたちに上手に水泳を教えて、プールで遊んでいます。心肺蘇生法などは、会員すべてができるように各自で外部講習を調べて参加してもらっています(たとえば赤十字、ライフサポート協会、ライフセービング協会など)。
 
・コーディネートはインターネットを活用したシステムを開発されていますが、実際にはどのようにされているのでしょう。例えば、初めての利用者、活動希望者とは面談などされるのでしょうか。

 プール・ボランティアは会員制です。利用会員(障がい児・者)の入会の時には、入会時に活動見学におこしなる方がほとんどです。実際の現場を見てもらうのは一番だから、見学にお誘いしています。
 ボランティア会員も1時間半~2時間かけて面接をしています。障がい児・者の命を預けることになるのでボランティアとして入会してもらう人の人となりをしっかり見極めるためにも、それは設立当初から変えていません。
 インターネットでコーディネートというのは会員の中で活用しています。2000年から独自システムをつくって活動を行っています。ボランティアエントリー(参加希望)、事務局からのボランティア依頼、ボランティアの承諾、ボランティアの辞退、緊急連絡などすべてスマートフォンで出来るようにしています。入会から現在までの活動回数、担当した子どもの履歴なども見れるようになっています。
 利用会員も同様です。お休みの連絡なども全てスマートフォンでできるようにしています。
Pサイト(連絡サイト)では、活動当日の障害児・者とボランティアのマンツーマン組み合わせも前日には公開して事前に各自確認しておくようにしています。確認することによって、初めての担当であればどんな人か、事務所に確認してもらうこともできるようにしています。
Pサイトでは当日の動きなど全て掲載していますので、当日のミーティングは30秒で終了します。顔合わせぐらいの時間です。
 当日は本活動が約2時間です。私は色々なボランティア活動をしてきましたが、本活動2時間のために打合せが4時間、反省会が4時間とか打合せばっかりの活動を経験しています。ボランティアの大切な時間をいただいているので、できるだけ必要最小限でやりたいと考え、こういう部分でネットの活用をしています。
 事故やトラブルなどが起きる場合もありますが、それらもこのPサイトで会員内で共有しています。
 
・コロナ禍を経て、今後の課題や目標があれば教えてください。

 コロナ禍で、プールが使えない期間がこの2年で半年ありました。また、ボランティア会員の職場の都合で、活動を自粛しなければならない会員も多くいます。コロナの規制緩和の今も、ボランティア活動に復活できない方が多くいます。ウイズコロナの時代に、人対人のボランティア活動を維持するためにはどう安全に行っていくかは課題です。最善の努力はしていますが、まだ、どれが安全なのかも定かではありません。
 そして現在、コロナの影響でボランティアが職場の都合などで活動できないことも多く、一部のボランティアに負担が掛かっている状況です。コロナが少し落ち着いている今、学校プールが再開された夏が終わって、障がい児もプールに入って泳ぎたい、泳がせたいという希望が増えてきたため、より多くのボランティアに活動に参加してほしいと願っています。
 おそらく2022年年末ごろには、『NPO法人プール・ボランティア和歌山』が、設立される予定です。初めての姉妹団体の誕生です。今後はさらにIT化を強化し、活動を全国に広げていきたいと考えています。