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「国葬」に関する声明、および賛同者の募集

<声明>安倍元首相の「国葬」に反対するとともに、「弔意を強制しない」という政府の明確な意思表明を求めます

2022年8月29日
社会福祉法人 大阪ボランティア協会 常任運営委員会

 岸田内閣は9月27日に安倍晋三元首相の「国葬」を実施することを閣議決定しました。しかし、安倍元首相の「国葬」について、毎日新聞の世論調査で賛成30%に対して反対53%となるなど、現状では多数の国民が反対しています。世論に目を向けず「国葬」を実施することは、国民の分断を招き、政府が国民の意向を軽視するという点で政府への信頼を損ない、政治・社会参加への意欲を失うことにつながる危険性があります。これは日本社会にとって健全な状態とは全くいえません。
 今回、安倍元首相が暴力の行使によって突然命を落とされたことについては、非常に残念なことであり、市民の自由意志で安倍氏への弔意を表することには、もちろん異論はありません。
 しかし、それが「国葬」という法的根拠のない形式をとることによって、「弔意の強制」になりかねないという懸念を強く抱きます。
 その理由は、内閣法制局の「憲法関係答弁例集(天皇・基本的人権・統治機構等関係)」(2017年10月)で「国葬とは国の意思により、国費をもって、国の事務として行う葬儀をいう」としており、「国葬」は「国の意思」によって葬儀が執り行われることになるからです。この位置付けもあり、また同調圧力が強いとされる日本では、「国葬」の実施によって、弔いの意思を事実上、強制される懸念があります。
 つまり「国葬」の実施により、全国各地で市民が執り行う多くのイベント、祭り、コミュニティ活動、表現活動の「自粛」をもたらしかねません。さらに疑問、批判や反対の意見を出しづらく、生きづらい空気感を社会にはびこらせることにもつながりかねません。
 そこで私たちは、「市民の自由な社会活動」を推進する立場から、政府に対し、憲法にも規定される「市民の思想および良心の自由(内心の自由)を侵さない」ことを確約し、明確に説明することを求めます。具体的には、安倍氏の「国葬」を実施するなら「弔意を強制しない」ことを「国葬」の実施決定と同じ閣議決定で確認し、学校現場や自治体など公的機関を含めて、通達を出して広く周知徹底してください。
 政府は国葬について「国民一人一人に喪に服すことを求めるものではない」と説明しています。しかし同種の事例として、国旗国歌法が制定された当時、小渕首相などは掲揚や唱和を「強制しない」と表明しました。ところが法の成立後、文部科学省は教育現場での指導徹底を求め、大阪府では公立校の教職員に君が代の起立斉唱を義務付ける条例が制定され、従わない教職員は処分されました。同様の処分は、教育委員会からの「通達」を発した東京都でもありました。
 こうした過去の経緯もふまえ、私たちは、市民の自由な社会活動を推進する立場から、個人の内心を統制しかねない「国葬」の実施に反対するとともに、「弔意を強制しない」ことを閣議決定して政府の意思を明確に示すことを強く求めます。

賛同者募集

声明への賛同コメント・意見表明フォームです。

ぜひコメントやご自身のメッセージをご記入ください。

賛同コメント・意見表明フォーム

ご賛同いただいたみなさま

2022年9月27日(火曜日)13時時点で、91名の賛同の意志をご表明いただきました。 ありがとうございます。
 
【お名前、組織名の公表に同意をいただいたみなさま】(着信順・敬称略)67名

永井美佳(大阪ボランティア協会)、田中実(乃亜フレンドリーネットワーク)、上林康典(社会福祉法人大阪ボランティア協会 常任運営委員)、中須雅治、矢野正広(とちぎボランティアネットワーク)、木村裕(吹田市議会議員)、佐々木拓次郎(社会福祉法人職員)、渡辺一城、筒井由美子(関西教育文化総合研究所)、藤岡美千代(喫茶店*オリーブガーデン*)、小林香織、明賀英樹(弁護士)、山内庸行、菊池浩史、池田明彦、千葉武、神野武美、加藤俊也(公認会計士)、平野幸子(NPO法人CAPユニット)、明賀典子、中西健、柏原誠(大阪経済大学准教授)、中嶋雅美、豊岡歩、勝木洋子、深野裕士(一社マチテラス製作所)、井上幹一、ながたちさ、石黒好美、鈴木賀津彦、江渕桂子、岡本友二(大阪ボランティア協会)、森本聡、高橋和勧、帯谷博明(甲南大学) 塩川恵造(宝塚第一小学校区まちづくり協議会地域交流部会長・小学校評議員代表)、直田春夫(NPO政策研究所)、藤井渉(日本福祉大学)、栗本裕見、小榑雅章(向社会性研究所)、仁平典宏、辻井元男(たすけあいネットしまとみ)、犬塚裕雅、三宅克英、小関隆志(明治大学)、岡本仁宏、小笠原恵美子、中野栄美子、永山由美好、藤本喜久男、西川日奈子(西淀川子どもセンター)、中尾安代(結空間)、矢内愛子、佐藤隆(北海道NPOサポートセンター)、長尾文雄(大阪ボランティア協会個人会員)、中島隆宏(名古屋NGOセンター)、百瀬真友美、下村委津子(NPO法人環境市民)、阿部圭宏、木場佳壽子、松尾林、小山千智、小副川律子、中村淑子(NPO法人SEAN)、藤田恵子、たかひら正明(不屈の立憲主義、たかひら正明と見つめる岸和田)、青木佳史(大阪弁護士会)池上甲一、伊与田昌慶(NGO職員、大学非常勤講師)、疋田恵子

 

【匿名で賛同の意を示してくださったみなさま】24名

2022年9月27日(火)13時時点でみなさまから寄せられたメッセージはこちらからご覧ください。

(公表の同意をいただいた方のメッセージのみ掲載)

また、メッセージはあくまでも個人の文責であり、当協会の意見を代表するものではありません。